欧州連合(EU)の加盟国で6日、欧州議会選(定数720)の投票が始まった。加盟27カ国に約3億7300万人の有権者がおり、9日まで順次投票する。

 選挙は5年に1度。EUの機関で唯一、市民が直接選挙で選ぶ。比例代表制で、有権者は自国の国内政党を選び、国の人口規模に応じて議席数が割り振られている。

 最新の世論調査では、現在、欧州議会に七つある会派のうち、右翼会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」が18議席、右派会派「欧州保守改革(ECR)」が7議席増やすことが予想されている。右派勢力全体で議席の2割を超え、最大会派に並ぶ可能性もある。

 右派や右翼政党の中には、ロシアのプーチン大統領に融和的だとされる政治家も多く、移民排斥を訴える勢力もある。議席数を増やせば、EUの今後のウクライナ支援や移民政策などに影響を与えかねない。

 先頭を切って投票が始まったオランダでは、IDを形成する下院第1党の極右政党「自由党(PVV)」のウィルダース党首が、「国境を開放してさらに多くの難民申請者が流入することがないよう、PVVに最多得票を」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 開票は9日で、同日夜(日本時間10日朝)に大勢が判明する見通しだ。(ブリュッセル=牛尾梓)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。