中欧チェコのパベル大統領は5日、首都プラハで朝日新聞の単独インタビューに応じ、6日から始まった欧州議会選で右翼政党が議席を伸ばすと予想されていることについて、「当然、懸念している」と述べた。右翼政党の台頭の一因として、ロシアのウクライナ侵攻による物価高などの影響を挙げ、「様々な種類のポピュリズムに非常に有利な状況」をつくっているとした。

 パベル氏は、ウクライナ侵攻の影響について、物理的な脅威だけでなく、エネルギー不足などの生活不安が人々の間で広がったことを指摘。一部の政党が「恐怖や不安を利用している」と話し、それによって支持を広げているとの見方を示した。

 「自国第一主義」を掲げる右翼政党には、ウクライナへの軍事支援に否定的な立場をとる政党もある。パベル氏は、ウクライナを利用してロシアに対抗しようとする米国の利益のために危機的な状況が起きているといった話が流されている点に触れ、「人々は危機が迫っている時に、誤った情報を信じる傾向にある」と警鐘を鳴らした。(プラハ=寺西和男)

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