【ソウル=上野実輝彦】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は16日の閣議冒頭で、総選挙での与党「国民の力」の大敗に関し、政策の成果を国民に伝えられなかったことが原因だとの認識を示した。「より低い姿勢と柔軟な態度で疎通を図り、国民の声に耳を傾ける」と強調した。  総選挙後に尹氏が見解を直接表明したのは初めて。

韓国の尹錫悦大統領(資料写真)

 尹氏は物価上昇や不動産高騰、教育過熱への対策など政府の取り組みを挙げ、「国政の方向が正しくても国民が変化を感じられなければ、政府は役割を果たせていない」と説明。「選挙に現れた民心を謙虚に受け止める」と述べた。

◆野党は「独善的な宣言」と猛批判

 これに対し、総選挙で大勝した革新系最大野党「共に民主党」報道官は「大統領府主導で疎通不足の政治を続けるという独善的な宣言だ。民意を誤って理解している。国民からかけ離れた自分の考えだけを話すやり方はもうやめてください」と批判した。与党大敗については「大統領の傲慢(ごうまん)さや意思疎通に欠けたリーダーシップ」(朝鮮日報)が原因と指摘されている。  大統領府高官は同日夕、尹氏が閣議の非公開部分で国民に謝罪し「厳しい評価の本質はもっと疎通せよということだ。大統領である私からより頻繁に疎通していく」と述べたと追加説明した。 

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