7月26日に開幕するパリ五輪まで、17日であと100日となった。独自色の強い計画の実現に向けて現地の準備は最終段階に入った。しかし、ウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの紛争に終わりは見えず、テロの脅威も懸念されている。
100年ぶりにパリで開催される五輪のスローガンは「広く開かれた大会」。約1万人の選手を迎え、ベルサイユ宮殿やコンコルド広場など世界的な観光名所も競技会場になる。今回の五輪は夏季五輪としては、リオ大会以来8年ぶりにコロナ禍の制限がない大会だ。
五輪史上初の競技場外での開会式は、パリの象徴であるセーヌ川が舞台になる。各国の選手らを乗せた船180隻は7月26日夜、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館など川沿いの観光名所を通って、エッフェル塔の下にあるイエナ橋まで、約6キロメートルにわたって水上をパレードする。
仏メディアによると、船は8メートルから85メートルの長さで、180隻のうち約半分は警備にあたる治安当局が搭乗する。式には現代のフランスを代表するアフリカ系フランス人の女性歌手アヤ・ナカムラさんが登場すると取りざたされている。
ただ、本番が近づくにつれて、テロの脅威など安全への懸念が指摘され始めた。仏内務省は外国からの応援を含む警察官4万5千人を動員して警備にあたる計画で、上空からの攻撃に備えてドローン(無人機)も配備。水上パレードでは、潜水部隊を用意して水中でも警戒を行う方針だ。
世論調査会社IPSOSが13日に発表した調査によると、パリ五輪に関心があると答えたフランス国民は53%で、昨年10月から8ポイント下がった。政府が開会式の安全を確保できると考えている人の割合は55%で、昨年の調査から13ポイント減少している。
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