今月9日、台湾北部を流れる淡水河の河口に中国軍の艦艇の艇長だった元少佐の男が小型船で侵入し、台湾の捜査当局はこの男の身柄を拘束して動機などを調べています。

台湾ではこの事件について、中国が武力攻撃に至らないいわゆるグレーゾーンの手法で台湾側の対応を試したという見方も出ています。

これについて、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は12日の記者会見で「純粋に個人の行為であり、大陸に戻ったあと規定に従って処罰する」としたうえで、台湾の頼清徳政権に対して「おびえたり、政治的な駆け引きを行ったりする必要はない」と主張しました。

一方、中国政府が台湾からの輸入製品について関税の優遇措置を停止する品目を今月15日から追加することについて、陳報道官は「頼清徳当局が民意を考えずさらに多くの問題を引き起こすならば、われわれは関係する部門がさらなる措置をとることを支持する」と強調しました。

頼政権は中国側が主張する「1つの中国」の原則を認めておらず、これを認めなければ関税の優遇措置の停止対象となる品目をさらに増やす構えを示すことで、頼政権への圧力を一層強めた形です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。