世界経済フォーラム(WEF)の2024年版「ジェンダーギャップ報告書」が12日、発表された。日本は146カ国中118位と昨年よりわずかに順位を上げたものの、国際的には低迷が続く。日本のジェンダー平等を進めるカギは何か。政治とジェンダーに詳しい上智大学の三浦まり教授(政治学)に聞いた。
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今月メキシコやアイスランドで女性大統領が誕生したことを踏まえて、三浦さんは「世界で女性指導者の誕生することは喜ばしいが、重要なのはその『生まれ方』だ」と話す。メキシコやアイスランドのように「平等への政策を積み重ねてきた先に誕生することが望ましい」という指摘だ。
経済分野に比べて、政治におけるジェンダー平等の道のりが険しい。ジェンダーギャップ報告書によると、世界のジェンダー平等の達成率は経済分野60・5%に対して政治分野22・5%。日本は昨年、女性閣僚が増えたために指数が改善したが、昨年9月の内閣改造時点では女性の副大臣・政務官はゼロ。実態はあまり改善していない。
日本の国政でジェンダー平等が進まない原因として、三浦さんは与党・自民党が選挙で現職を優先するため、新しい女性候補が挑戦しにくいことを挙げる。
変革のきっかけになりうると指摘されるのが「クオータ制」だ。定数の一定割合を女性、または男女に割り当ててることを義務づけるなどして男女の不均衡を是正する制度のことで、1970年代に北欧で始まり、すでに世界140近い国・地域が導入している。日本でも議論が続いている。
ただ三浦さんは、「クオータはゴールではない。ハラスメント禁止や賃金格差の是正などの施策も同時に進め、平等の文化を根付かせていく必要がある」と言う。(真野啓太)
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