岸田首相はスイスで開催された世界平和サミットでスピーチに臨んだ(15日、ビュルゲンシュトック)=ロイター

【ビュルゲンシュトック(スイス中部)=秋山裕之】岸田文雄首相は15日(日本時間16日未明)にスイスで開幕した「世界平和サミット」で演説した。ロシアが侵略するウクライナの和平をめぐり「国連憲章を含む国際法の諸原則に基づく公正かつ永続的な平和でなければならない」と語った。

「きょうのウクライナは明日の東アジアかもしれない」と言及し、日本周辺の安全保障にも直結するとの認識を説明した。「力や威圧による一方的な現状変更の試みを正当化するようなものであってはならない」と訴えた。

2025年に地雷除去に関する国際会議を日本で開くなど、電力分野を含めてウクライナ支援を強化する方針を明らかにした。「日本ならではの形で貢献していく」と明言した。

原子力の安全について「議論に積極的に貢献していく」と言明した。ロシア軍による原子力発電所の攻撃などを念頭に「生命や生活に直接的影響を与えうる喫緊の問題への対応も急務だ」と話した。

人道・復興支援やロシア制裁に関して「ウクライナの美しい大地に平和を取り戻すべく引き続き取り組みを継続する」と約束した。

2023年の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)で新興・途上国など招待国を含め合意した4原則に触れた。「広島での議論が基盤となり、ウクライナに平和をもたらすべく集ったことを喜ばしく思う」と歓迎した。

広島での4原則は①全ての国が主権や領土一体性の尊重といった国連憲章の原則を守る②対話によって平和的に解決し、国際法や国連憲章の原則に基づく公正で恒久的な平和を支持③力による一方的な現状変更の試みを許さず④法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守る――だった。

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