【カイロ=時事】イスラエル軍は16日、イスラム組織ハマスと戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザの一部で、軍事活動の「戦術的一時停止」を15日から開始したと発表した。毎日午前8時(日本時間午後2時)から午後7時(同翌日午前1時)まで戦闘を控えるという。支援物資の搬入量を増やすことが目的で、国連などと協議して決めた。
軍事活動が停止されるのは、ガザ南部とイスラエル境界のケレム・シャローム検問所から北部へ通じる道路沿い。軍が公表した地図では、検問所から南部ハンユニス南東の病院までの約10キロが対象となっている。
イスラエル軍は5月上旬にガザ最南部ラファで地上作戦を開始し、支援物資搬入の主要経路だった対エジプト境界の検問所を制圧。検問所の閉鎖が続いている。
国連世界食糧計画(WFP)は軍事作戦が続いているため、ガザ南部や中部への食料支援が「ほぼ不可能になっている」と警告。南部で「壊滅的な飢餓」に発展する可能性を指摘していた。
一方、イスラエル軍は15日、ラファ西部で装甲戦闘車両が爆発し、兵士8人が死亡したと発表した。軍報道官は、仕掛けられた爆弾か対戦車ミサイルの攻撃を受けたとみられると説明。ただ、イスラエル紙ハーレツは、自軍が設置した爆発物が原因である可能性も調査していると報じた。
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