イスラエル軍と政府の間でガザ南部の軍事活動を巡り食い違いが顕在化している(8日)=ロイター

【カイロ=時事】イスラエル軍が16日、イスラム組織ハマスと交戦するパレスチナ自治区ガザへの支援物資を増やすため、ガザ南部の主要道路沿いの一部区間で毎日時間を決めて軍事作戦を停止すると発表したことを巡り、イスラエル政府と軍の間で食い違いが生じている。政府は決定を知らなかったと主張し、軍は通知したと強調している。

軍事活動が停止されるのは、イスラエルとガザ最南部ラファの境界にある検問所から南部ハンユニス南東の病院までの約10キロ。軍は毎日午前8時から午後7時まで戦闘を控える。

イスラエルのメディアは情報筋の話として、ガラント国防相が今回の決定を知らず、政府としても承認していないと報じた。ネタニヤフ首相も、活動の一時停止は「受け入れられない」と反発したとされる。

しかし、報道によれば、軍は作戦の一時停止を政府に伝えていた。軍はまた、ネタニヤフ氏が支援物資の搬入量の大幅増と支援従事者の安全確保を指示していたと明かした。

ネタニヤフ氏がガザでの人道的措置の拡充に否定的発言を繰り返してきた背景に、連立政権維持のカギを握るパレスチナ強硬派の極右政党をなだめる意図があるとの見方がある。活動の一時停止発表を受け、極右政党を率いるベングビール国家治安相は、決定を下した「愚か者」の辞任を要求した。

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