中国海警局は17日、南シナ海スプラトリー(南沙)諸島のアユンギン礁(中国名・仁愛礁)近海でフィリピンの補給船と衝突したと発表した。フィリピン側は「詳細は論じない」としつつ、反発している。
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両国はいずれもアユンギン礁の領有権を主張。中国側は、同礁に駐留するフィリピン兵への補給に向かっていた船に対して「取り締まりを実施した」と説明。衝突は補給船が「再三の警告を無視し、未熟なやり方で故意に接近してきた」ためだとし、「責任は完全にフィリピン側にある」と非難した。
一方、フィリピン軍のトリニダッド広報官は記者団に対し、「欺瞞(ぎまん)に付き合うつもりはない」と述べ、中国側の主張を一蹴。経緯や被害状況については説明しなかった。そのうえで、「中国海警局が続ける攻撃的な行動が地域の緊張をエスカレートさせている」と述べた。5月にも、フィリピン軍がアユンギン礁に運搬していた食料などを中国海警局が強奪する事件が起きたばかりだ。
この海域では双方の船による衝突や、中国側による放水銃の発射などが相次いでいる。中国側は管轄海域に違法に侵入した外国人を最長60日間拘留できるとする規定を15日に施行し、フィリピン側への圧力を強めている。(北京=畑宗太郎、バンコク=大部俊哉)
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