ラファから避難するため荷物をまとめるパレスチナ住民(13日)=ロイター

【パリ=北松円香】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区最南部ラファで展開するイスラム組織ハマスの4つの大隊のうち、2つを制圧したと発表した。イスラエルメディアが伝えた。残る2つの大隊に対する攻勢も進めており、2週間以内にラファを完全に管理下に置く見込みだとしている。

イスラエル軍によると、今回の2大隊の制圧でハマスのメンバー少なくとも550人を殺害し、200のトンネルを破壊したという。イスラエルはラファをハマスの最後のとりでと位置づけている。今後同国軍の想定通り制圧が進めば、戦局が大きく動く可能性がある。

イスラエル軍はラファの140万人の住民はすでに他地域に避難したと主張している。一方ガザの保健当局によるとパレスチナ住民の死傷は増え続けており、2023年10月の戦闘以降、ガザ側の死者は3万7372人に達した。

国連のターク人権高等弁務官は18日、ガザに加えてパレスチナ西岸でも「状況が劇的に悪化している」と述べた。西岸では10月以降133人の子どもを含む528人のパレスチナ住民がイスラエルによって殺されており、「多くのケースで違法な殺害だったとの深刻な疑いがある」と指摘した。

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