中国・四川省で13日、川に流される1台の白い車から運転手が救助された。
運転手を救ったのは、命を顧みず飛び込んだ2人の男性と、後押しされるように集まった勇気ある市民たちだった。
川で流される車…運転手は意識なし
中国・四川省で、1台の白い車が川に流された。
通りがかった人が一部始終を撮影していたが、なんと車の中には人がいる様子だ。
人が取り残されていることに驚き、「人だ!人が乗っているぞ!」と叫ぶ声が響く。
この記事の画像(11枚)何らかの理由で川に転落したようだが、転落した時の影響か、運転手に意識がない様子だ。
自力での脱出はまず不可能とみられ、このままでは助かるのは絶望的な状況だった。
しかし次の瞬間、川の勢いが強い状況で車がかなりのスピードで流される中、男性が川に飛び込んだ。
撮影していた人も、その行動に思わず、「うわうわうわ!助けに行ったぞ!」と驚愕(きょうがく)する声を上げた。
それでも男性は必死に泳いで車に到達し、なんとか車に飛び乗ることに成功した。
車に飛び乗った男性は、すぐに「起きろ!ベルトを外せ!」と窓越しに話しかけたが、運転手の意識が戻る気配はない。
そこで男性はすぐさま、対岸にいる撮影者側に「石をくれ!」と叫び、窓を割って運転手を助けようと試みた。
しかし、車はどんどん流され、声は届くものの、岸とは離れていった。
車は半分以上沈んでおり、迷っている時間はない。
“つながる救助の輪”男性が石を届ける
石を渡す方法に悩む岸の人々をよそに、新たに別の男性が川に飛び込んだ。
石を持ち、泳いで届けようと決意したのだ。
石を持って飛び込んだ男性は、なんとか流される車に到着し、先に着いていた男性へ石を渡す。
先に車に飛び乗っていた男性は、すぐさま石を窓ガラスにたたきつけ、窓ガラスを割ることに成功した。
運転手は意識を取り戻し、水没しかけた車から脱出することができた。
手を取り合ってロープに
喜びもつかの間、今度は岸までたどり着く必要があった。
そこで車につかまっていた3人は意を決し、川にダイブ。
強い激流の中、3人は必死に岸を目指した。
もう少しの距離で岸にたどり着くことができない中、近くにいた人たちも浮き輪や棒を持ち寄り、川の男たちを助けようと必死に追いかけていた。
男たちが岸に近づくタイミングで引き上げようとするが、もう少しのところで手が届かない。
引き上げるロープがないならと、そこで次にとった作戦は、自分たちが“救助ロープ”になることだった。
岸にいる人たち、1人1人が手を取り合い、人同士の即席ロープとしてつながったのだ。
連なった人々は川にいる男たちに手を伸ばし、ついに3人を引き上げることに成功した。
市民が一丸となった命がけの救出活動に、現地当局は、「正義と勇気の戦士」と賞賛しているという。
(「イット!」 6月18日放送より)
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