UNHCR=国連難民高等弁務官事務所によりますと、世界の難民や避難民は、去年まで12年連続で増え続け、ことし4月末までに1億2000万を超え、日本の人口に匹敵する規模になったとみられています。

スイスのジュネーブでNHKの取材に応じたグランディ国連難民高等弁務官は「人々に避難を強いる紛争が増え続けている。数か月ごとに新たな紛争が発生し、以前から続くアフガニスタンやシリアなどの紛争も解決していない。 紛争を解決するには国家間の協力が必要だが、分断された世界ではそれが極めて難しい。ウクライナやガザ地区をめぐる情勢で国家間の溝はさらに深まってしまった」と述べ、強い危機感を示しました。

一方、欧米各国で難民などの受け入れに反対する極右や右派の政治勢力が支持を広げている現状について「難民や移民の問題を利用している政治家もいる。『難民や移民は危険な存在で受け入れる余地はなく、押し戻さなければならない』というのは簡単だが、人々に移動を強いる要因は非常に強く、政治家たちが提示する対策では問題は解決しない」と述べ、強い懸念を示しました。

そして難民などの75%は欧米より経済的に貧しい国々が受け入れているとして「受け入れに応じている国々への支援を強化すべきだ。人道的な支援からより長期的な支援もあり、日本にはこうした取り組みを主導してもらいたい」と述べ、日本を含む国際社会が継続して支援に取り組む重要性を強調しました。

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