23年の世界エネルギー消費は石油の増加などで過去最高を更新した=ロイター

【ロンドン=大西康平】英業界団体エナジー・インスティチュートは20日、石油やガスなどの生産・消費動向をまとめた「世界エネルギー統計レビュー」を発表した。2023年の世界の1次エネルギー消費量は新興国がけん引して過去最高を更新した。

23年の消費量は前年比2%増の620エクサジュール(エクサジュールはエネルギー量の単位で10の18乗ジュール)となった。インドや中国の消費拡大で石炭が1.6%増、石油が2%増となった。

ロシアのウクライナ侵攻による価格急騰への対応で、欧州での需要が減った天然ガスは横ばいとなった。欧州連合(EU)のガス輸入に占めるロシアの割合は、21年の45%から15%まで低下した。

世界の再生可能エネルギー発電量は、先進国を中心に太陽光や風力が伸びて過去最高を更新した。欧州では1次エネルギーに占める化石燃料の割合が、産業革命以来初めて70%を下回った。米国でも80%まで減少した。

同レビューは1952年からまとめてきた石油大手BPの公表終了に伴い、エナジー・インスティチュートが2023年から引き継いだ。

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