【ニューヨーク=斉藤雄太】米S&Pグローバルが21日発表した米国の6月の購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合が54.6と前月から0.1ポイント上昇し、2022年4月以来2年2カ月ぶりの高さになった。サービス業の新規受注が拡大したほか、製造業の景況感も改善した。
米景気が好調を維持し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換に時間がかかるとの見方から、21日の米金融市場ではPMI公表後に米金利上昇(債券価格は下落)とドル高が進む場面があった。対ドルの円相場は一時、1ドル=159円台半ばと約2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
PMIの調査期間は6月12〜20日。総合指数は好不況の分かれ目となる50を上回る状態での推移を続けている。21日発表の6月のユーロ圏のPMIは総合指数が前月から低下しており、米景気が他国・地域よりも底堅い様子を映した。
米PMIの内訳をみると、サービス業の指数は55.1と0.3ポイント上昇し、2年2カ月ぶりの高水準だった。53.7への低下を見込んでいた市場予想を上回った。個人消費がなお堅調で、サービス業の新規受注が拡大している。
製造業の指数は51.7と0.4ポイント上昇し、3カ月ぶりの高水準だった。市場予想(51.0)を上回った。
S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミストのクリス・ウィリアムソン氏は「米経済の好転は広範囲に及び、PMIは年率2.5%弱の経済成長とほぼ一致する水準で推移している」と指摘した。
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