【ニューヨーク=斉藤雄太】米連邦準備理事会(FRB)と米連邦預金保険公社(FDIC)は21日、大手米銀8社が事前に準備している破綻処理計画の審査結果を公表した。シティグループなど4社の計画に不備があると指摘し、改善措置を求めた。
米金融当局は規制・監督対象の大手銀行に対し、リビングウィル(遺言状)と呼ぶ破綻処理計画の準備と提出を求めている。金融危機などで銀行が苦境に陥った際に、秩序立った破綻処理を可能にして混乱の広がりを極力抑える狙いがある。
今回は2023年7月の破綻処理計画について、シティとJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスの4社で不備があると判断した。いずれもデリバティブ(金融派生商品)のポートフォリオの問題を指摘し、25年7月1日が提出期限の次回の破綻処理計画で解決するよう求めた。
シティの計画の不備については、FDICが「欠陥」があるとみなし、FRBの判断よりも重大性が大きいという認識を示した。シティは21日に公表した声明で「規制当局に指摘された問題に全力で取り組んでいる。データの質の向上など特定の分野で作業を加速し、必要な投資を実施する」と述べた。
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