パンダの故郷として知られる中国・四川省の成都にパンダ専門の書店がオープンし、日本人を含む大勢の観光客が訪れている。特に最近人気を集めるのが、東京・上野動物園から四川省へ返還されたシャンシャン(香香)を特集した本だ。日本でブームを起こしたアイドルが、本場でも熱い視線を集めている。

◆来店1日70人、パンダ専門にしたら1400人

 店名はずばり「パンダ書店」(中国語・熊猫書店)。パンダ関連の書籍を220種類以上取り扱う。地元の出版社が運営し、パンダに特化した書店としては「中国で唯一」と自称する。

中国・成都の「パンダ書店」で6月上旬、シャンシャンの本を手にする店長の程宇宣さん=河北彬光撮影

 シャンシャンの本は中国で人気のパンダを特集したシリーズの一つとして、書店の運営会社が4月に「熊猫香香」の書名で出版した。上野動物園で生まれてから四川省に移って以降の様子を記録する。発売1カ月で180冊が売れ、店で上位3位の売れ筋になった。店長の程宇宣(ていうせん)さん(27)は「中国語版しかないが、日本から来た人も手に取ってくれる」と話す。  書店はもともと普通の「町の本屋さん」だったが、運営会社が昨年7月にパンダ専門に全面改装すると人気が沸騰。ネット販売の普及で実店舗の苦戦が続き来店者数は1日70人ほどだったが、改装後は20倍の1400人ほどに急増し、日本や韓国の観光客も訪れるようになった。

中国・雅安で6月上旬、元気な姿を見せるシャンシャン=河北彬光撮影

 シャンシャンは昨年2月に四川省に返還され、店のある成都中心部から車で2時間余りの山間部のパンダ基地で暮らす。整った外見から中国のファンの間でも「東京育ちのお姫さま」として人気だ。程さんは「日本人も中国人も大好き。両国の友情の象徴になった」と喜ぶ。(成都・河北彬光) 

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