インフレが依然として消費者の景況感に影響を与えている=ロイター

【ニューヨーク=佐藤璃子】米調査会社コンファレンス・ボードが25日発表した6月の米消費者信頼感指数は、前月の改定値から0.9ポイント低下して100.4となった。4月以来、2カ月ぶりに前月と比べマイナスとなった。所得や事業環境に対する短期的な見通しが悪化した。

消費者信頼感指数は米個人消費の先行指標とされ、1985年を100として算出している。6月はダウ・ジョーンズによる市場予想(100.0)を小幅に上回った。内訳をみると、足元のビジネスや労働市場の景況感を示す「現況指数」は141.5と前月から0.7ポイント上昇した。

一方で短期的な見通しを示す「期待指数」は73.0と前月から1.9ポイント低下した。事業環境や所得に対する見通しが前月から悪化し、5カ月連続で景気後退リスクの高まりを示唆する水準である80を下回った。

コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「足元の労働市場に対しては強い見解が続いているが、もし労働市場に弱点が見え始めれば、年後半にかけて消費者の景況感が悪化する恐れがある」と分析した。依然として物価上昇が消費者の経済に対する見解に影響を与えていることも明らかになったとしている。

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