中国共産党は27日に開いた中央政治局会議で、重大な政治規律違反があったとして李尚福・前国防相の党籍剝奪(はくだつ)を決めた。中国国営中央テレビが報じた。対外的な説明がないまま、昨年10月に国防相の職を解かれていた。魏鳳和・元国防相にも同様の処分が下され、前任とその前の国防相が同時に重い処分を受けるという極めて異例の事態となった。

 李氏は昨年8月から約2カ月動静が途絶えた後、国防相を解任され、中央軍事委員会の委員からも外れていた。職務を利用して巨額の賄賂を受け取ったり、送ったりした疑いが調査で明らかになったという。「軍隊装備の分野などを深刻に汚染し、党の事業や国防のイメージを大きく損ねた」と判断した。今後、軍事検察機関に移送され、起訴されることになるという。

 魏氏も昨年9月から規律違反で調査を受けていたことがこの日明らかになった。調査によると、贈答品や巨額の賄賂を受け取った疑いがあるという。習近平指導部は、ロケット軍を中心に大規模な汚職調査を進めてきたとされる。

 また、共産党は27日、党の重要会議「第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)」を7月15~18日の日程で開催することを決めた。李氏と魏氏の処分は3中全会で追認される見通し。(北京=井上亮)

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