ヒズボラに対するイスラエル軍の攻撃で上がる煙=25日、レバノン南部(ゲッティ=共同)

【エルサレム=共同】イスラエル軍は28日、レバノン南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点少なくとも5カ所を攻撃したと発表した。戦闘本格化への懸念が高まる中、地上侵攻も視野に攻勢を強めているもようだ。ヒズボラもイスラエルに向けて多数のロケット弾やミサイルを発射し、応酬は激化の一途をたどっている。

AP通信によると、事態悪化を懸念する米国は今週、強襲揚陸艦ワスプを東地中海に派遣。レバノンからの米国市民の避難準備に加え、抑止力を高める狙いがある。

イスラエルメディアによると、軍はレバノン国境沿いの部隊増強に動いている。米メディアは複数の米国防当局者らの見方として、イスラエルが数週間内にレバノン領に地上侵攻する恐れがあると指摘している。

双方は米仏を仲介役として戦闘休止交渉を進めており、イスラエルメディアは28日、ガラント国防相が米政府に対し、休止の条件としてヒズボラの国境周辺からの撤収を改めて求めていたと報じた。だがパレスチナ自治区ガザでの停戦を要求するヒズボラとの溝は深く、進展は見通せない。

軍はガザでも作戦を続行。中東メディアによると、北部シャジャイヤで28日もイスラム組織ハマスとの激しい戦闘があり、報復とみられるロケット弾がイスラエル側に向け発射された。

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