アメリカのバイデン大統領は27日に行われたトランプ前大統領とのテレビ討論会で声がかすれ、数秒間ことばに詰まる場面があったほか、トランプ氏による批判に切り返せない場面が目立ち、民主党の一部からもバイデン氏を党の候補者に指名することを疑問視する声が出ていると伝えられています。

こうしたなか、前回の大統領選挙でバイデン氏を支持した有力紙ニューヨーク・タイムズは28日、「バイデン氏は選挙戦から撤退すべきだ」とする社説を掲載しました。

社説では「トランプ氏の危険性、この国の将来、そしてバイデン氏の不安定さを鑑みれば、アメリカは共和党候補に対抗できる、より強力な人物を必要としている」と指摘しています。

そのうえで、「選挙戦のこの時期になって新しい民主党の候補者を立てることは容易ではない」としながらも、「民主党にとって極めて明確な道筋とは、バイデン氏では選挙戦を続けられないことを認め、11月にトランプ氏を負かすことが可能な人物を選ぶプロセスを始めることだ」と指摘し、バイデン氏に撤退を求めました。

一方、バイデン氏は討論会から一夜明けた28日、南部ノースカロライナ州で演説し「打ちのめされても立ち上がるのだ」と述べて、巻き返しを誓いました。

ただ、民主党支持層の読者を多く抱えるニューヨーク・タイムズが社説で撤退を求めたことで、バイデン氏への撤退圧力が強まるきっかけとなるのか、関心を集めています。

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