英国下院(定数650)の総選挙は4日午後10時(日本時間5日午前6時)、投票が締め切られた。英公共放送BBCや民放ITV、スカイニュースが合同で行った出口調査の結果では、最大野党・労働党が圧勝し、14年ぶりに政権を奪取する公算が大きくなった。

 出口調査によると、獲得議席の予測は、労働党410(解散前206議席)▽保守党131(同345)▽自由民主党61(同15)▽改革党13(同1)▽スコットランド国民党10(同43)など。開票は夜通し行われ、労働党の「単独過半数」は現地時間5日早朝ごろに確定する見通し。

 労働党は1997年、第2次大戦後で単一政党として最多となる418議席を獲得したが、今回はそれに迫る大勝になる情勢だ。2020年から党首を務めるキア・スターマー氏(61)が5日中に新たな首相となる見込みで、次の選挙までまずは最長5年間、絶対安定多数のもとで政権を担う。

 スナク首相率いる保守党は97年の165議席を下回り、少なくとも過去100年以上例を見ない惨敗となる見通しだ。今後は新たな党首を選出した上で、党の方針を再検討し、ゼロから再出発する必要に迫られる。

 今回の総選挙では、生活費の高騰や公的医療サービスの危機的状況、移民の急激な増加といった課題への対応が争点となった。欧州連合(EU)からの離脱「ブレグジット」は2020年1月末にようやく実現したが、その前後に混乱が目立ち、保守党政権に対する有権者の不満が募っていた。(ロンドン=藤原学思)

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