林芳正官房長官は5日の記者会見で、沖縄県で米軍兵士による性的暴行事件が相次いだことを巡り「関係省庁で連携のうえ可能な範囲で地方自治体に情報伝達を行う」と述べた。一連の事件で県が政府からの情報がなかったと批判していた。

エマニュエル駐日米国大使は岡野外務次官と面会後、記者団の取材に応じた(5日、外務省)

政府は同日から運用を始めると県に伝えた。捜査機関が公表していない事件について県に情報提供する。

事件の処理が終わった後、捜査機関が外務省に情報を伝え、防衛省が対象の自治体に連絡するという。被害者のプライバシーに配慮し、事案ごとで提供内容を判断する。

エマニュエル駐日米大使は5日、外務省で岡野正敬外務次官と面会した。岡野氏は事件について強い遺憾の意を伝達した。「綱紀粛正の強化と具体的な再発防止策を米側と議論したい」と語った。

エマニュエル氏は地域社会に不安を招いたことについて遺憾の意を示し、米側として「改善策を考え、問題を迅速に解決する必要がある」と言明した。米兵への研修と教育に重点的に取り組む必要があると強調した。

面会後、記者団に個人的な考えとしながらも、7月下旬に都内で開催する予定の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で再発防止策をまとめる考えを示した。

日米同盟に影響があるかを問われ「日米関係が信頼と友情に基づくならば、事件に対してしっかりと胸襟を開いて向き合うべきだ」と話すにとどめた。

4日に沖縄県迷惑行為防止条例違反の疑いで米海兵隊員が現行犯逮捕された。林官房長官は5日午前の記者会見で「米軍人による事案が連続して発生していることは極めて遺憾だ」と話した。防衛省が在日米軍に再発防止を申し入れたと明かした。

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