ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザで豪州に渡った人たちが、仕事探しに苦労するケースが相次いでいる。

 「こちらで、仕事探しに苦労していない人は見たことがない」

 オーストラリア第3の都市、ブリスベンにワーホリビザで滞在する埼玉県出身の男性(27)はそう話す。

 男性もそうだった。市内のレストランを調べ、1週間かけて自分の履歴書計80枚を配り歩き、ネット上の求人サイトでも50件以上に応募した。「いつ仕事が見つかるんだろうと、心が折れそうになった」

 やっと飲食店に採用され、現在は週3~4回シフトに入っている。

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 シドニーに暮らす関西出身の女性(26)も、求人サイトで飲食店のホールの仕事など30件以上に応募したが、返信はなかった。「最後の最後」に応募した市内のキャバクラに採用された。

 店の代表を務める男性(40)によると、ネットに求人情報を掲載すると、毎月70件以上の応募があるという。

 ブリスベンやシドニーでは、飛び込みで店をまわり、仕事を求めて履歴書を配る日本人の姿をよく見かけた。「ほとんどがワーホリの人だ」(飲食店関係者)という。

 採用する側はどうみているのか。

 ブリスベンでインドネシア料理店を経営するリアナ・エカワティさん(40)は、日本のほか、欧州や東南アジアなど出身の人から履歴書をよく受け取るという。

 重視するのは英語力だ。リアナさんは「キッチンで毎回スマホを取り出し、Google翻訳でやりとりするわけにはいかない。どこの国から来た人も同じように、英語が話せることが採用の最低条件だ」と話す。(シドニー=半田尚子)

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