◆バイデン氏「そろそろ終わりにしよう」
バイデン氏は書簡で「報道ではさまざまな臆測が出ているが、私は選挙戦にとどまって最後まで戦い、ドナルド・トランプを打ち負かすと固く決意している」として、選挙戦を続ける考えを示した。バイデン氏(2022年5月)
その上で党内で噴出する撤退論を念頭に「どのように前進するかという問題は1週間以上、よく議論されてきた。そして、そろそろ終わりにしなければならない」と主張。団結し、共和党のトランプ前大統領に立ち向かうべきだと訴えた。◆批判するなら「私に挑戦を」
6月27日の討論会後に高齢不安が再燃したバイデン氏は、選挙集会や米メディアのインタビューを精力的にこなし、健在ぶりを猛アピールしている。8日にはMSNBCテレビの電話インタビューに応じ、自身はこれまでの党の候補者選びで有権者から選ばれた候補だと強調。批判者に対しては「大統領選に出馬して(8月の)党大会で私に挑戦すればいい」と述べた。 米紙ワシントン・ポストによると、これまでに民主党下院議員9人が公然とバイデン氏に撤退を求めている。バイデン氏は9~11日にワシントンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でウクライナ支援の継続などについて協議する。会議での振る舞いや11日に予定されている記者会見の受け答えが十分でなければ、健康状態を不安視する声がさらに高まる可能性がある。 ◇ ◇◆「プランBはハリス氏だ」
民主党内で大統領選候補差し替えの声が高まる中、ハリス副大統領(59)に注目が集まっている。共和党のトランプ前大統領もハリス氏への攻撃を始めており、バイデン大統領が撤退した場合の後継として最有力候補との見方が広がっている。ハリス氏(2022年9月)
「プランBはハリス氏だ。彼女が副大統領なのだから」。民主党の大口献金者の1人で、大手コンサルタント会社経営のチャールズ・マイヤーズ氏はブルームバーグ通信の取材に対し、プランAはバイデン氏の選挙戦継続としながらも、次善の策としてこう話した。◆「中絶の権利」で支持拡大
女性、黒人、アジア系として初の副大統領のハリス氏は、就任後に存在感を示せずに人気は低迷していた。しかし、人工妊娠中絶の権利擁護を強く訴えるようになってからは若年層の支持を拡大。ロイター通信の最新の世論調査では、ハリス氏がトランプ氏と大統領選で対決した場合、支持率はハリス氏42%、トランプ氏43%と拮抗(きっこう)する。黒人や女性からの支持を期待できることに加え、バイデン陣営の組織と資金をスムーズに引き継げる利点もある。トランプ氏(2020年1月)
ハリス氏は討論会の後、「バイデン氏が私たちの候補だ」と支える姿勢を強調。これに対しトランプ氏は自身のソーシャルメディアに投稿した動画で、バイデン氏の代わりにハリス氏が民主党の候補になるとの見方を示した上で「彼女は哀れだ。ひどすぎる」と、早くも対決を意識した発言をしている。 ハリス氏のほかにも、中西部ミシガン州のウィットマー知事、西部カリフォルニア州のニューサム知事の名前も挙がる。オバマ元大統領の妻、ミシェルさんの待望論も根強くあるが、本人は出馬を否定している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。