ソウルのライブハウスで4日、歌唱を披露する歌心りえさん(木下大資撮影)

 韓国のテレビで日本語の歌が流れるのを聴いた記憶はほとんどない。日本の大衆文化開放から20年余りがたっても、テレビ局は日本に厳しい国民感情に配慮してきたとされる。  だが最近、オーディションで選抜された日韓の歌手が共演する「韓日歌王戦」という番組が放映された。日本人が日本の歌謡曲を披露したほか、韓国人歌手とデュエットする場面もあり、大きな話題になった。  出演した歌心りえさん(50)らがソウルで日韓の記者と懇談する機会があった。日韓関係の難しさを意識しがちな記者たちの関心は、「韓国での好意的な反応をどう受け止めるか」という点に集中した。  りえさんは交流サイト(SNS)で寄せられる韓国人の賛辞に驚きつつ「日韓の文化交流という面は全く考えていなかった」。一方で、感情を曲に乗せて表現する際の国民性の違いに言及し、韓国人歌手の実力を「肌で感じた」と率直に語った。  音楽に対する繊細な感性が言語を超えて視聴者に響いたように思う。日本文化のタブー視はもはや意味のない時代になった。彼女らの活躍を心から応援したい。(木下大資) 

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