【曲阜(きょくふ)=河北彬光】儒教の祖として知られる孔子の故郷、中国山東省曲阜で10日、孔子の功績にちなんだ国際会議「第10回尼山世界文明フォーラム」が開幕した。過去最多の63カ国から政府関係者や専門家が参加。中国は儒教や論語に代表される孔子を通じ、中国発祥の価値観を国際社会に発信したい考えだ。

10日、中国・曲阜で開かれた尼山世界文明フォーラムであいさつする福田康夫元首相=河北彬光撮影

 儒教の影響を受ける日本や韓国のほか、アフリカのセーシェルなどグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国も参加。11日まで「伝統文化と現代文明」を主題に議論する。  首相当時の2007年に曲阜を訪れた福田康夫元首相も出席し、開会あいさつで新紙幣の肖像となった渋沢栄一が論語を指針としたことを紹介。「儒学の精神は現代日本の基礎になっている。現代に息づく理念、平和の理念だ」と述べた。  会議名の尼山は、曲阜にある孔子生誕地の地名。出席した中国の孫春蘭(そんしゅんらん)元副首相は「世界で衝突が起き、人類は岐路に立つ。優秀な伝統文化から方策をくみ取る必要がある」と話し、欧米とは異なる孔子の思想の重要性をアピールした。 

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