ウォール街

【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小動きで始まり、午前9時35分現在は前日比36ドル99セント安の3万9684ドル37セントで推移している。朝発表の6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げするとの観測が強まった。一方、ダウ平均は前日に429ドル高と大きく上昇した後で、主力株の一部に持ち高調整の売りも出やすい。

6月の米CPIは前月比で0.1%低下した。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想は0.1%上昇だった。エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.1%上昇と市場予想(0.2%上昇)を下回った。コア指数の前年同月比の上昇率は3.3%と、2021年4月以来の水準となった。米金利先物市場では9月の利下げを織り込む確率が前日から上昇した。

11日朝の米債券市場では、長期金利が前日に比べ0.11%低い4.17%とおよそ4カ月ぶりの低水準を付ける場面があった。金利の低下が株式相場の支えとなる半面、米景気が市場の想定より減速していることへの警戒もある。

ダウ平均は前日に5月下旬以来の高値を付けた。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は連日で最高値を更新した後で、株式相場の高値警戒感もある。一部の主力株には持ち高調整や利益確定の売りが出て、上値を抑えている。

ダウ平均の構成銘柄では、JPモルガン・チェースやインテル、アップルが下げている。一方、ホーム・デポとメルクが高い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。

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