バイデン米大統領(81)は11日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせたワシントンでの演説で、ウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言い間違え、慌てて言い直す一幕があった。大統領選に向けて高齢不安を払拭(ふっしょく)したいバイデン氏にとっては、痛恨の言い間違いとなった。

 バイデン氏は、各国首脳と並んでウクライナ支援を再確認する内容の演説を終えると、「皆さま、プーチン大統領です」とゼレンスキー大統領を紹介した。だが壇上を降りかけたところで間違いに気づき、「ゼレンスキー大統領だ。プーチン大統領を倒すことに集中しすぎていた」と慌てて釈明した。

 続いて壇上に上がったゼレンスキー氏が「私は(プーチン氏より)ベターだ」と冗談で受け流すと、バイデン氏はゼレンスキー氏と握手をしながら「あなたはずっとベターだ」と言葉を返した。

 バイデン氏は先月のテレビ討論会で言葉を詰まらせたり、言い間違いをしたりしたことで、大統領選からの撤退を求める声が民主党内で高まっている。この日は、討論会後に初めて記者の質問を受ける単独会見も予定されており、パフォーマンスに注目が集まっていた。バイデン氏は会見を立て直しのきっかけにしたい思惑だったが、その直前の演説で痛いミスを犯す展開となった。(ワシントン=高野遼)

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