【北京=河北彬光】中国共産党は15日から、重要会議の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を開く。中長期の経済政策方針を決める場で、最終日の18日、決定内容をコミュニケとして公表する見通し。不動産不況に伴う地方財政悪化や内需低迷といった景気後退のリスクに対し、抜本的な対策を打ち出せるかが焦点となる。

◆5年に1度、中長期の経済政策方針を決める場

 3中全会は5年に1度の党大会の翌年に開かれるのが通例で、本来は昨年秋の見通しだったが、1年近く遅れての開催となる。経済不振で政策立案に時間を要したためとの見方が出ている。  党は6月下旬、3中全会で「改革の深化と中国式現代化の推進」を審議すると公表した。欧米と異なる発展モデル「中国式現代化」は習近平政権が掲げる重要政策だが、長引く不動産不況など山積する経済面の課題に直面している。

中国共産党の旗

 中国メディアの証券時報は、政府や金融機関、経済学者へのアンケートで、最も望まれるのは「財政・税制改革」だとする結果を報じた。土地が国有の中国では、地方政府が土地使用権を売ることで財源を確保してきたが、最近は売却収入の減少が地方財政の悪化を招き、景気の下振れリスクになっているためだ。

◆過去には改革路線への転換、「一人っ子」緩和なども

 人事も焦点となる。昨年7月に秦剛(しんごう)外相(当時)が突然解任されて以降、今も残る党中央委員の免職が決まる可能性があると取り沙汰される。農業農村相の唐仁健(とうじんけん)氏も今年5月に重大な規律違反の疑いで調査を受けていると公表された。  3中全会は1978年に改革・開放路線への歴史的転換、2013年に「一人っ子政策」の緩和を打ち出すなど重要方針が決まる舞台になってきた。全体会議は、次の党大会までの5年間に7回開かれ、うち3回目の3中全会は日本を含む世界経済に大きな影響を及ぼしうるため注目される。 

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