【NQNニューヨーク=三輪恭久】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比144ドル65セント高の3万9898ドル40セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げするとの見方が根強く、買い安心感につながっている。相対的に出遅れ感がある銘柄への買いも続き、指数を支えている。
12日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇した。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)を上回った。一方、11日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る内容だった。総じてみると6月のPPIが米国のインフレ鈍化の流れを変えるほどではないとの受け止めがあった。
FRBが9月にも利下げを始めるとの観測は根強く、投資家心理の支えとなっている。前日には大型ハイテク株を中心に売りが出た後で、一部には買い直す動きもある。半面、週末とあって積極的に持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、上値を抑えている。
米主要企業による2024年4〜6月期決算の発表が始まった。ダウ平均の構成銘柄では、JPモルガン・チェースが下落している。朝発表の24年4〜6月期決算では市場予想を上回る増収増益となった一方、24年12月期通期の純金利収入の見通しが市場の予想より慎重だったとの見方から、売りが出ている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表したウェルズ・ファーゴとシティグループも安い。
そのほかのダウ平均の構成銘柄ではインテルやキャタピラー、コカ・コーラが上昇している。アップルとシスコシステムズも高い。一方、ハネウェル・インターナショナルとボーイングは下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。アルファベットとエヌビディアは小幅に上昇している。一方、メタプラットフォームズが安い。
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