6月は機械・車両の卸売手数料が3.7%上昇した=ロイター

【ワシントン=赤木俊介】米労働省が12日発表した6月の卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率(季節調整済み)が0.2%となった。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(0.1%上昇)をわずかに上回った。小売・卸売手数料などサービスの価格が上昇し全体をけん引した。

品目別でみると、6月はサービスの価格が0.6%上がった。機械・車両の卸売手数料が3.7%上昇した影響が大きい。燃料・潤滑剤やハードウェア機器の小売手数料も上昇した。半面、トラック運送サービスの価格は1.2%下落した。

製品の価格は0.5%下がった。ガソリン価格が5.8%下落し、全体のエネルギー価格も2.6%下がった。鶏肉加工品、軽油、生鮮・乾燥野菜の価格も下がった。一方で、鶏卵価格は55.4%上昇した。

前年同月比(季節調整前)の上昇率は2.6%だった。伸び幅は上方修正された前月の改定値から拡大した。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は前年同月比3.1%上昇した。

米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は5月と6月のインフレ率が米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の予想(中央値)を下回る形で推移していると指摘。「米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を中立レンジまで下げることが可能となる」と分析した。

卸売物価指数は生産者や小売業者、物流業者などの企業間で取引されるサービスの価格変動を映す。最終的には消費者向けの物価にも影響する。労働省が11日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下、前年同月比では3.0%上昇した。

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