【ジュネーブ共同】塩野義製薬が開発に携わった抗エイズウイルス(HIV)薬「ドルテグラビル」の使用が中低所得国で急速に拡大しており、二酸化炭素(CO2)の排出量削減につながるとの予測が15日、発表された。少量の原料で製造できるためで、2017年から27年までの削減量は計2600万トンと見込まれている。途上国への医薬品供給を支援する国際機関「ユニットエイド」が明らかにした。  ドルテグラビルは中低所得国で、2400万人以上の患者の治療に使われている。ユニットエイドは、以前まで主流の抗HIV薬だった「エファビレンツ」での治療と比較。ドルテグラビルの方が、製造過程でのエネルギー消費節約や供給過程での効率化につながり、よりCO2の排出量削減効果があると判明した。  削減できる量は、中低所得国で医療部門が排出する量の約0・3~0・4%に当たり、一つの薬が及ぼす効果としては非常に大きいと評価。「温暖化防止に貢献する薬」で、他の医薬品が後に続くべき模範になり得るとしている。


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