バイデン米大統領は大統領の免責特権を一部認めた最高裁の判断を批判した=ロイター

【ワシントン=赤木俊介】バイデン米大統領が米連邦最高裁を改革する法案を検討していることが16日までに判明した。米メディアが報じた。近年の最高裁は人工妊娠中絶の権利を覆した2022年の判決や、大統領の免責特権を一部認めた24年7月の判決など保守的な決定が目立つ。こうした最高裁の姿勢を危惧する有権者の支持につなげる狙いがありそうだ。

バイデン氏が検討する法案は新たに最高裁判事の任期導入などを盛り込む見通しだ。同氏は15日、米NBCテレビのインタビューで「(保守派の判事らは)建国の父たちの意図に疎いようだ」と免責特権の最高裁判断を厳しく批判していた。

米紙ワシントン・ポストはバイデン氏が大統領をはじめとした政府高官の免罪特権を廃止する憲法改正案も検討しているとした。

連邦最高裁は保守派判事6人、リベラル派判事3人で構成され、保守が多数派だ。24年は免責特権のほか、「シェブロン法理」と呼ばれる40年来の行政法の考え方を覆した。保守派のトーマス判事やアリート判事が大口献金者から接待を受けたという疑惑も浮上している。

米世論分析サイトファイブ・サーティー・エイトの集計では、連邦最高裁の支持率は7月10日時点で36.7%だった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。