米航空宇宙局(NASA)が開発を目指した月面の無人探査車のイメージ(NASA提供)

【ヒューストン=花房良祐】米航空宇宙局(NASA)は17日、月面の開発に使うとしてきた無人探査車「VIPER」の実用化を断念すると発表した。コスト増大などが原因という。NASAは月の南極にあるとされる氷を探査するために無人探査車を開発していた。

当初は2023年の打ち上げを目指したが遅れ、直近は25年の打ち上げを目標に開発していた。ただ、月面着陸機といった関連機材の開発の遅れにより、コストが一段と増加する懸念も浮上していた。

月の南極には氷があるとされ、NASAは無人探査車を送り込んで分布図を作成する計画だった。

NASAはVIPER以外にも月面の氷を探査する計画があるとしており、今後も月面開発は続けると強調した。有人の月面開発計画「アルテミス」も継続する。将来は月面基地を建設して氷から燃料を製造したり、月を拠点に火星を有人探査したりする構想もある。

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