SPACが虚偽の説明で投資家から資金を調達したとSECは判断(写真はワシントンのSEC本部ビル)=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】米証券取引委員会(SEC)は17日、メディア企業のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)を合併した特別買収目的会社(SPAC)の元経営トップを提訴した。TMTGはトランプ前大統領が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営する。合併で虚偽の説明をしたと判断した。

SECが訴えたのはSPACのデジタル・ワールド・アクイジションの最高経営責任者(CEO)を務めていたパトリック・オーランド氏。2021年9月にナスダックで新規株式公開(IPO)した同SPACは24年3月にTMTGと合併して、社名もTMTGに改めている。

裁判書類によると、SECは、オーランド氏がIPO前にTMTGを合併対象と定めて代表者と面会し具体的な協議を進めていたのにもかかわらず、IPOに関する開示文書では事実に反する説明をして投資家から資金を調達したと主張している。

法人としてのデジタル・ワールド・アクイジションは虚偽の説明をしたことを認め、23年7月に1800万ドル(約28億円)の罰金支払いでSECと和解した。今回のオーランド氏提訴はTMTGへの直接の影響は限られるとみられる。18日にTMTG株は前日比3%程度上昇する場面があった。

21年1月の米連邦議会議事堂への襲撃事件後、ツイッター(現X)の利用を禁じられたトランプ氏はトゥルース・ソーシャルを立ち上げ、支持者らへの主な情報発信の場として用いている。

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