学生のデモ隊による放火事件が相次ぎ、車やバスが燃やされた(ダッカ、19日)=ロイター

【ニューデリー=共同】バングラデシュで政府職員採用の優遇枠をなくすよう求める学生のデモ隊と治安部隊の衝突が続いていることを受け、同国政府は19日、全土に外出禁止令を出すことを決めた。軍を配備しデモ沈静化を図る。英BBC放送(ベンガル語)が伝えた。

地元メディアは18日までに少なくとも25人が死亡したと報道。19日に約35人が死亡したとの情報もあり、犠牲者は計60人を上回る可能性がある。

首都ダッカではインターネットが全面的に遮断され、電話も含め通信環境が極めて不安定になっている。地元メディアのサイトの多くも更新されない状況が続いた。19日はデモに伴う放火事件が全土で計34件あり、うち29件はダッカで発生した。車やバスが燃やされ、政府の建物などにも多くの被害が出たという。

バングラデシュでは、政府職員の採用枠の3割を、1971年のパキスタンからの独立戦争に加わった兵士の子息らに割り当てる措置があった。政府は批判を受けて2018年に廃止を決定したが、バングラデシュ高裁が今年6月、これを覆す判断を出したことで抗議デモが起き、今月に入って激化している。

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