【ワシントン=鈴木龍司】11月のアメリカ大統領選で、撤退を決断した民主党のバイデン大統領(81)から後任候補として推薦されたハリス副大統領(59)は22日、党の候補指名に必要な過半数の代議員の支持を集めた。米主要メディアが伝えた。ハリス氏は声明で「必要な幅広い支持を獲得できたことを誇りに思う。党と国家を団結させ、11月にトランプ(前大統領)を打ち負かす」と決意を示した。

◆「自由と権利を持つ前の時代に後退させようとしている」とトランプ氏批判

 米メディアによると、民主党全国委員会は22日、8月19〜22日に中西部シカゴで開かれる党大会に先立ち、同7日までに党の大統領候補を選ぶ考えを示した。

ハリス氏=2022年9月撮影

 ハリス氏は東部デラウェア州の選挙対策本部の会合で出馬表明後、初の演説に臨んだ。共和党のトランプ氏(78)を「多くの米国人が自由と権利を持つ前の時代に後退させようとしている」と批判し「私たちはすべての米国人のための明るい未来を信じている」と訴えた。  AP通信は独自の集計で、ハリス氏が22日夜までに、民主党の候補指名獲得に必要な代議員数1976人を上回る2668人の支持を得たと報じた。ハリス氏の陣営は22日、バイデン氏の撤退表明から丸1日で8100万ドル(約127億円)の選挙資金を調達したと発表した。  バイデン氏は同日、選挙対策本部のスタッフとの電話で、自身の撤退を「正しい決断だった」と振り返りハリス氏への支援を約束。党内で影響力を持つペロシ元下院議長も声明で「ハリス氏を次期大統領として熱狂的に支持するために前進しなければならない」と呼びかけた。ワシントン・ポスト紙によると、同党の連邦議員と州知事の計286人のうち、これまでに252人がハリス氏を推す考えを示した。

◆「後継指名」に疑問の声も

 一方、民主党に復党して候補者争いに出馬する可能性が取り沙汰されたマンチン上院議員は同日、米CBSテレビの取材に応じ、立候補を否定した。その上で「(候補者が)バイデン氏によってあらかじめ決められてしまっているかのようだ」と疑問を呈し、最も強い候補者を見極める「ミニ予備選」を行うべきだと訴えた。 

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