【台北、北京=共同】台湾離島の金門島周辺で2月に台湾当局が追跡していた中国漁船が転覆し、2人が死亡した事故の処理の在り方を巡り、中台は当局者らが協議を実施することで合意した。中台の当局が24日明らかにした。同日に予定された協議は台風の影響で延期され、日程を調整している。
事故で高まった中台の緊張が緩和につながるかどうかが焦点。転覆事故後、中国海警局は金門島周辺でパトロールを常態化させ、台湾船の拿捕(だほ)や臨検を実施して圧力を強化してきた。
台湾で対中政策を主管する大陸委員会によると、中台双方が24日午前に金門島のホテルで事故処理について協議する予定だったが、台風の影響で航空便や船便が欠航して中国側関係者が来られなくなり延期になった。
台湾メディアによると、協議では亡くなった船員の遺族に台湾側が見舞金を支払うことなどを盛り込んだ文書に双方が署名する。中国は転覆事故を「悪質な事件」と位置付け、台湾側が反発していたが、文書では双方が歩み寄る形で「突発的な事件」などの表現を使う見通しという。
中国国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は24日の記者会見で「(台湾と)意思の疎通を続けている。話し合いで適切に問題が解決することを望む」と述べた。
事故は2月14日、台湾側の許可なく中国船が進入できない「禁止・制限水域」で、台湾海巡署(海上保安庁に相当)の船が中国漁船を追跡した際に発生した。
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