中国の江蘇省蘇州市で日本人学校の送迎バスが刃物を持った男に襲われた事件で、中国共産党は26日、日本人の母子を守ろうとして亡くなったとされる胡友平さん(54)を「勇士」として顕彰すると発表した。国営中央テレビなどが報じた。

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 胡さんは児童の送迎時に同乗し、保護者に引き渡す案内係として働いていた。公安当局などによると、6月24日、バス停に迎えにきていた日本人母子を男が襲撃した際、男を引っ張って止めようとした。後ろから抱きかかえて制止を試みた際に刺されたという。

 報道によると、「自らの安全を顧みず、多くの人を救うために、勇敢に戦うという崇高さで社会に正しい気風を広めた」ことが顕彰の理由だという。

 2022年9月に始まった制度で、胡さんはこの日に「勇士」に加わった48人の一人。中国メディアは胡さんの名前を見出しに取り、「胡さんの行為に対するインターネットの閲覧数は13億回を超えた」などと紹介した。

 一方、事件について中国側は「偶発的」とするが、男の詳細な動機は1カ月が経っても明らかにされていない。(上海=小早川遥平)

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