パリ・オリンピック(五輪)の開会式が26日午後7時半(日本時間27日午前2時半)からパリ市中心部を流れるセーヌ川で行われた。競技場外で開会式が実施されるのは夏季五輪では初めて。
ウクライナ選手団にとっては、2022年2月にロシアによる侵攻が始まってから初めて迎える五輪だ。
選手団はウルグアイ、ツバル、トルクメニスタンの選手たちと同じボートに乗り、セーヌ川を進んだ。
旗手を務めたのは、東京五輪テニス女子シングルス銅メダルのエリナ・スビトリナ(29)だ。
開会式前に開かれた選手団の会見で旗手への抱負を聞かれ、「私にとっては名誉で、五輪で勝つことと同じくらい重要なことです」と語った。
テニスのツアー大会にはロシアと、その同盟国のベラルーシ勢も参加している。スビトリナは自国が侵攻を受けて以降、両国出身の選手との試合後の握手を拒んできた。
7月のウィンブルドン選手権で8強入りした際には、自分が国外で生活を送る一方、親族がウクライナ国内に残っていることに「罪悪感を覚え続けている」と語っていた。
それでも、ウクライナへの関心をつなぐことが自身の役割と任じている。「このような困難な時期に、国を代表してここにいることが重要です」(内田快)
ガザの選手8人もパレード
パレスチナ選手団は、イスラエルによるガザ侵攻が続く中での参加となった。選手たちはパナマ、パプアニューギニア、パラグアイの選手団と同じ船に乗って、パレードした。
旗手は競泳のヴァレリー・タラジとボクシングのワシム・アブサル。パレスチナ五輪委員会(POC)によると、今大会には8人が参加を予定しており、射撃や柔道、テコンドーにも出場する。国外に拠点を置きながら活動する選手もいる。
POCのジブリル・ラジューブ会長は14日にあった壮行会で「選手の参加を通して、ガザで起きている悲劇を世界に伝えることになる」と話していた。(藤田絢子)
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