ARF=ASEAN地域フォーラムの閣僚会合は27日、ラオスの首都・ビエンチャンで開かれ、ASEAN加盟国や日本、アメリカ、中国、ロシアを含む27の国と地域などの外相らが出席して、3時間余りにわたって国際情勢を議論しました。北朝鮮は外相ではなく、ラオスに駐在する大使が出席しました。

上川外務大臣は、北朝鮮による核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力の進展に深刻な懸念を表明し、すべての大量破壊兵器の廃棄に向けた具体的な行動と対話の再開を求めました。また、拉致問題の解決に向け各国の理解と協力を呼びかけました。

参加した各国からは、北朝鮮の挑発行動への懸念や拉致問題解決の必要性が示されたということです。

このほかウクライナ情勢をめぐり、各国からロシアによる軍事侵攻への非難や懸念の表明があったほか、中東情勢について、ガザ地区での即時停戦を求める発言が相次いだということです。

会議のあと、上川大臣は記者団に対し「力による一方的な現状変更の試みは世界のどこであっても認められないという一貫した考えに特に重点を置いて、日本の立場をしっかり発信した」と述べました。

出席した外相らから北朝鮮を批判する発言相次ぐ

ARFの閣僚会合には、アメリカのブリンケン国務長官や、上川外務大臣、中国の王毅外相、ロシアのラブロフ外相らのほか、北朝鮮からはラオスに駐在するリ・ヨンチョル大使が出席しました。

この中で出席した外相らからは、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させていることへの批判や、ロシアと協力を強化することによって挑発を深刻化させる可能性を指摘する発言が相次ぎました。

外交筋によりますと、これに対して北朝鮮のリ大使は「対立する事態をあおっている」とアメリカを強く非難したほか、ロシアのラブロフ外相も同様にアメリカを批判したということで対立が際立ちました。

北朝鮮が韓国への対決姿勢を強める中で、リ大使は26日、韓国のチョ・テヨル(趙兌烈)外相からあいさつや握手を求められたものの応じないなど、かたくなな姿勢を見せました。

また、会議の合間に各国の記者らがリ大使に、ロシアとの協力強化などについて質問を繰り返しましたが、リ大使は一貫して何も答えませんでした。

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