車から身を乗り出すのは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記。

その視線は、はるか地平線のかなたへと向けられています。

しかし、何と乗っている車が3分の1ほど水没しています。

朝鮮中央テレビは29日朝の放送で、金総書記が災害現場を訪れ市民の救助を現地指導したと報じました。

その災害とは記録的な大雨による被害。
中国との境界にある川、鴨緑江(おうりょくこう)が氾濫し、5000人が孤立したということです。

中国でも大雨で甚大な被害が出ていました。

内陸部の湖南省では大雨で茶色く濁った川が猛スピードで流れ、水量の限界を超えたダムが一気に放流。

そして、街全体がのみ込まれ、まるで湖のようになってしまいました。

至るところで車が水没、ワイパーが動いたまま半分沈んだ車も。

山間部の村では建物に取り残された人が。
救助隊が激流の上をロープで渡っていきます。

流れにのみ込まれないよう一人一人救出。

大雨は、山の形も変えました。

崩れた土砂が建物を直撃。
大量の岩や木々、曲がった鉄骨が衝撃の強さを物語ります。

駆け付けた救助隊は残された人がいないか確認。

湖南省の村の民宿が流されるなど、約20人が閉じ込められました。

当局が救助活動を行いましたが、15人が死亡し6人がけがをしたということです。

地元気象局によると、山崩れの現場付近の降水量が観測史上最大を記録したということです。

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