矯正施設に収容中の少年に対する、軍隊式訓練に使われる制服やリュックサックなど=20日、ニュージーランド・パーマストンノース(ラジオ・ニュージーランド提供、共同)

 【シドニー共同】ニュージーランド政府は29日、凶悪犯罪で有罪判決を言い渡された少年を更生させることを目的にした軍隊式訓練を試験的に開始した。犯罪対策を重視するラクソン政権の公約だが「更生の効果は薄い」「かえって再犯のリスクを高める」との批判もある。  ラジオ・ニュージーランドによると、対象は少なくとも二つの犯罪に問われ、禁錮10年以上が確定した15~18歳の少年10人。  軍が監修したスケジュールでは、少年は午前6時半に起床。運動のほか勉強、職業訓練、先住民マオリの文化学習を行う。消灯は午後9時半だ。  訓練を視察したチャー児童相は、狙いについて「起床・消灯時間、部屋の整理整頓といった若者に必要な規律とルーティンを守らせることだ」と語った。  一方、ビクトリア大のサイモン・デービース講師らのグループは「軍隊式訓練では、再犯は減らないという証拠が国内外に豊富にある」と批判。虐待や精神的苦痛を経験した若者は「過去の身体的危害を連想し、さらなる不安やストレスを引き起こす可能性が高い」と指摘した。


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