ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=稲場三奈】31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比68ドル21セント高の4万0811ドル54セントで推移している。四半期決算を発表した半導体株を中心に買いが入っている。米長期金利の低下も投資家心理の支えとなっている。一方、主力株の一部には持ち高調整の売りも出て、ダウ平均は下落に転じる場面がある。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日夕に2024年4〜6月期決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅に上げている。エヌビディアなど他の半導体関連銘柄に買いが波及。ダウ平均の構成銘柄では、インテルが高い。コスト削減のために数千人の人員削減を予定していると、米ブルームバーグ通信が前日夕に報道したことも支えとなっている。

朝発表の7月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比で12万2000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(16万8000人増)を下回った。4〜6月期の雇用コスト指数は前期比0.9%上昇と、市場予想(1.0%上昇)以下だった。いずれも労働需給の緩和を示したとの受け止めから、米債券市場では長期金利が低下。株式の相対的な割高感が薄れたとしてハイテク株を中心に買いが入っている。

午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表がある。政策金利を据え置く公算が大きい。市場には、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で経済や金融政策にどのような見方を示すか注目されており、内容を見極めたいという雰囲気がある。

ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやアップルが上昇。ボーイングも高い。朝発表の4〜6月期決算と併せて新最高経営責任者(CEO)を発表したことが好感された。キャタピラーやシェブロンも上げている。

一方、マイクロソフトが下落している。前日夕発表の四半期決算で注目のクラウド基盤「アジュール」などの増収率が市場予想に届かず、売上高やアジュール見通しも市場予想を下回り、嫌気した売りが先行している。ユナイテッドヘルス・グループやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、トラベラーズなども安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。半導体関連銘柄を中心に買いが入っており、上昇率は一時2%を超えた。

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