飲食店の求人広告(7月、バージニア州クラレンドン)

【アトランタ=赤木俊介】米民間雇用サービス会社ADPが31日発表した7月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門は除く)は前月から12万2000人増えた。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(16万8000人増)を下回った。

業種別にみると、7月は物流サービスの雇用者数が6万1000人増えた。建設業は3万9000人、レジャー・宿泊サービスも2万4000人それぞれ増えた。一方、ビジネス・専門サービスは3万7000人減った。情報サービスも1万8000人減った。

事業規模別にみると、従業員50〜499人の中規模事業所で雇用者数が7万人増えた。従業員500人以上の大企業でも6万2000人増えた。従業員1〜49人の小規模事業所では雇用者数が7000人減った。

年収の中央値は前年同月比4.8%高まった。伸び幅は前月(4.9%)からわずかに鈍化した。転職した人の年収は同7.2%上昇し、前月から0.5ポイント低下した。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「賃金の伸びが弱まり、労働市場はインフレ抑制を目指す米連邦準備理事会(FRB)の狙い通りに推移している」と指摘する。「インフレが再燃した場合、要因が労働市場である可能性は低い」との考えを示した。

ADPは米スタンフォード大のデジタル・エコノミー・ラボと協力して雇用者数を集計、分析している。ADPの雇用リポートは米労働省の雇用統計前に公表する。雇用統計の予測ではなく、補完を目的にしている。8月2日発表の雇用統計で、7月の就業者数の増加予想は19万人となっている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。