目次
-
イランで反イスラエルのデモ
-
ヨルダン川西岸でも抗議デモ
イラン最高指導者ハメネイ師「復しゅう みずからの義務」
ガザ地区を実効支配し、イスラエルと戦闘を続けるハマスは7月31日、ハニーヤ最高幹部が訪問先のイランの首都テヘランでイスラエルによる攻撃によって殺害されたと発表しました。
イランの外務省は31日、ハニーヤ最高幹部の殺害は国際法に著しく違反しているなどとイスラエルを強く非難するとともに、イスラエルを支援するアメリカにも責任があると強調しました。
イランの最高指導者ハメネイ師は声明で「イランの領土で起きたこのつらい事件で復しゅうすることをみずからの義務だと考える」などとして、何らかの報復を行う考えを示していて、イランの対応が焦点となっています。
イランで反イスラエルのデモ
イランでは31日、イスラエルに反発するデモが行われました。
首都テヘラン中心部の広場では、ハニーヤ最高幹部の写真が印刷された巨大な垂れ幕が掲げられ、付近を埋め尽くした人たちが「イスラエルに死を」と叫びながら、報復を求めていました。
また、イランの国旗やパレスチナの旗とともに、イスラエルに対し軍事支援を続けるアメリカを非難するメッセージを掲げる人の姿も多く見られました。
参加した44歳の男性は「われわれの領土で客人の血が流されるようなことがあってはならず、復しゅうしなければなりません」と怒りをあらわにしていました。
また、35歳の男性は「イスラエルはおろかすぎて自分たちが何も成し遂げておらず、抵抗勢力の怒りを増幅させただけであることにも気づいていません」と話していました。
ヨルダン川西岸でも抗議デモ
ヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区ラマラでは31日、大規模なデモが行われました。
デモに参加した人たちはパレスチナやハマスの旗を掲げて、ハニーヤ最高幹部の殺害に対する抗議の意思やイスラエル軍と戦闘を続けるハマスへの連帯を示していました。
デモに参加した男性は「停戦交渉の相手を殺害したということはイスラエルは平和を望んでいないということだ」と非難していました。
イスラエル政府「個別の事案にはコメントしない」
一方、イスラエル政府は31日の会見でハニーヤ最高幹部の殺害への関与について問われたのに対し「個別の事案にはコメントしない」と述べ、確認を避けました。
イスラエル軍は先月30日には隣国レバノンの首都ベイルートで、ハマスに連帯を示してきたヒズボラの司令官を標的に空爆を行い、殺害したと発表するなど、ガザ地区の外でもハマスや連帯する勢力への攻勢を強めていて、中東情勢は混迷の度合いを深めています。
ネタニヤフ首相も言及せず
イスラエルのネタニヤフ首相は31日、演説を行い、「この数日、ハマス、フーシ派、それにヒズボラに対し激しい打撃を与えた」と述べて敵対する勢力への攻撃が成功していると強調しました。
ただ、ガザ地区で戦闘を続けるイスラム組織ハマスのハニーヤ最高幹部が殺害されたことには言及しませんでした。
一方、ネタニヤフ首相は、隣国レバノンの首都ベイルートでハマスに連帯を示すヒズボラの司令官を殺害したことで、多方面から脅しを受けているとしたうえで「われわれはどのようなシナリオにも準備は出来ている」と述べ、あらゆる事態への備えがあると主張しました。
戦闘開始300日 エルサレムで人質解放訴える集会
去年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの間の戦闘が始まってから1日で300日となるのにあわせエルサレムでは7月31日、人質の解放を訴える集会が開かれました。
イスラエル軍によりますと、いまもガザ地区では115人が人質として捕らわれていて、集会では、家族の代表者がスピーチを行い、解放に向けて政府やハマスに対して働きかけを強めるべきだなどと訴えていました。
妹のカリーナさんが人質になっているサーシャ・アリエブさんは「この国も世界も行動を起こすべきです。人質となった人たちのことを気にとめてもらうことが私たちの戦いです」と訴えていました。
また息子が人質になっているという男性はハマスのハニーヤ最高幹部の殺害について「この地域のことを非常に心配している。このような事態をすべて終わりにして平和に暮らしたいです」と話していました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。