ハリド・シェイク・モハメド被告(2003年3月)=AP

【ニューヨーク=共同】米国防総省は31日、2001年の米中枢同時テロを計画したなどとして訴追された被告5人のうち、主犯格とされるハリド・シェイク・モハメド被告ら3人と司法取引が成立したと発表した。ニューヨーク・タイムズ紙によると、罪を認める代わりに死刑を免れ、終身刑となる。

テロから20年以上が経過し、司法取引によってようやく主犯格らに判決が言い渡される見通しが立った。一方でバイデン政権は、死刑を求めてきた遺族からの反発や「テロリストと取引した」との批判を浴びそうだ。

国際テロ組織アルカイダ幹部のモハメド被告ら5人は02〜03年の拘束後、中央情報局(CIA)の施設で水責めなどの拷問を受け、06年にキューバのグアンタナモ米海軍基地に移送された。米政府は米領土ではないとして長期勾留を正当化し、現在も基地内の特別軍事法廷で公判前手続き中。拷問後の自白の証拠能力などを巡り争いがあった。

5人のうち1人は拷問が原因とされる精神障害を患い、特別軍事法廷が昨年9月、自身を弁護できる状態にないとして他4人と審理を分離した。別の1人はモハメド被告ら3人が合意した司法取引に加わらなかった。

同時テロではアルカイダメンバーがハイジャックした旅客機4機がニューヨークの世界貿易センタービルなどに突っ込み計約3千人が死亡した。

米国は各地で約780人を「テロ容疑者」として拘束し、グアンタナモ基地の施設に収容した。結果的に訴追されなかった収容者もおり、大半が出身国や第三国に送還・移送され30人が残る。

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