ベトナム共産党は3日、同国の最高指導者にあたる共産党書記長にトー・ラム国家主席(67)を選んだと発表した。グエン・フー・チョン前書記長が7月に死去したことに伴う人事。13年ぶりに新指導者が誕生した。
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ラム氏は3日の記者会見で、バランス外交や経済発展、汚職撲滅に注力すると表明。「断固として腐敗や不正と粘り強く闘い、クリーンで強い党づくりに力を注ぐ」と述べた。
共産党が一党支配するベトナムは党書記長、国家主席、首相、国会議長の「四柱」による集団指導体制を敷く。ラム氏は1979年に日本の警察組織にあたる公安省に入り、公安相も務めた。法学博士の学位も持つ。今年5月にチョン氏のもとで、権力序列2位の国家主席に就任したばかりだった。
前書記長は2011年からの在任中、「反汚職闘争」を掲げ、現職閣僚や党幹部らの不正を厳しく処分した。「四柱」も例外ではなく、23年以降には国家主席や国会議長も立て続けに任期途中で解任された。今年5月のラム氏の国家主席就任も、前任者の解任に伴う臨時のケースだった。
ラム氏は公安相、国家主席として、チョン氏と足並みをそろえ、反汚職闘争の中心的な役割を担った人物。基本的な政治方針は今後も引き継がれるとみられる。任期はチョン氏の残りの期間を引き継ぎ、26年1月まで。(バンコク=大部俊哉)
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