身柄交換で引き渡されたロシア人を空港で出迎えるプーチン大統領=1日、モスクワ(ロイター=共同)

 【モスクワ共同】ロシアと米国などが1日に実施した政治犯と治安当局者らの大規模な身柄交換は、冷戦時代を含めても最大規模とされ、欧米やロシアのメディアは「歴史的」と報じた。しかしロシア国内の政治専門家らの間では、両者の利害が一致した取引の結果であり、ウクライナ侵攻で対立を深めるロシアと欧米の緊張を緩和させるきっかけにはならないとの見方が主流だ。  著名なロシアの国際政治学者ルキヤノフ氏は1日「身柄交換が緊張緩和の予兆ではないかとの推測はかなり奇妙に聞こえる。交渉チャンネルを通じて合意したことは喜ばしいが、将来については何も触れていない」と通信アプリに投稿。身柄交換は地政学上の主要な対立とは無関係の動きだと主張した。  政治学者のカラチェフ氏はコメルサント紙に対し、今回の取引がロシア側にとって重要だったのは「われわれは自国民を見捨てない」というモットーを、海外刑務所で収監中のロシア国民を救うことで実現した点にあると指摘。このモットーは対ウクライナの軍事作戦でも強化、拡大されなければならないものだと主張した。


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